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日銀 物価上昇率予測 引き下げへ

2019年01月22日

日銀 物価上昇率予測 引き下げへ


日本が高度成長期の頃、給料が上がっても物価が上がって家計は大変だとか
物価が下がればいいのにとか言われてたと聞いたことがある。

自分の経験でいえば、バブルの頃、私は学生で、あるニュースを見たのを
思い出す。
それは私が住んでいる地域では、一軒家を手にするのに地価の高騰で、
安くても2億円前後もして、当時、サラリーマンが一生働いて得る所得が2億円で
自分は一軒家を買う事ができないんだと残念に思っていた。

その後、バブルが崩壊し、それからここ20年くらい、地価は下落、
給料は大きく上がる事はないが、物価は安くなった。

さて、昨日、「日銀 物価上昇率予測 引き下げ」というニュースがあった。
日銀の物価上昇率予測の引き下げはこれで4回目。
2017年の4月時点では2019年度の消費者物価指1.9%を見込んでいたが、
直近での消費者物価の伸び率は+0.7%。今回は1%程度へと予測修正。
今回の予測引き下げで2%の物価目標から一段と遠のくことになる。

ここ数年、金融緩和政策を実施している。
これはお金を市場に流すことにより、市場が活性化し人々が消費をし、
物価も上昇し、所得も上がり、好景気になるという、ある経済理論。
この経済理論はフリードマンのマネタリズムである。
貨幣数量説と呼ばれるものだ。
この理論を支持する人々をマネタリストと呼ぶ。
ちなみにフリードマンの経済理論をハイエクは批判している。

1985年にプラザ合意というものがあった。
プラザ合意とは簡単に述べると、アメリカが日本との貿易赤字に苦しみ、
円高になれば例えば、日本の自動車、家電などアメリカにとって高くなる、
そして、ドル安になることで、日本にアメリカ製品を安く売れるという目論見
で、当時の先進5か国 (G5) 、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、日本
に対して円高誘導させた。

それにより、日本の輸出産業は打撃を受け、円高不況といわれる状況に
なった。
ちなみに円高は必ずしも悪いというわけではないどころか、業界や庶民に
とっては長所がある。
海外の安い製品を買える事ができるからだ。
食品から石油まで、輸入、内需産業、庶民にとってはお得である。
ここで言いたいのは経済はそんなに単純ではなく、また誰かが儲ければ、
誰かが損をする、その逆もあるということ。

そして、円高不況を国が何か政策を打ってなんとかしろという圧力が時の
政府にかかった。
そこで実施したのが、金融緩和である。
フリードマンのマネタリズム、貨幣数量説によれば景気がよくなると考えた
からだ。

しかし、当時日本で起こったことは違った。一見、景気がよくなっている様には
見えるとこもあるのだが。
何が起こったかというと、金融緩和により金利が低くなったが、そのお金は
設備投資など実態経済に流れることはなかった。
そもそも日本はその頃豊かであり、大きなイノベーションを起こすような企業も
なかったからだ。

そこで、金融緩和により低金利で借りたお金を企業や個人は土地を買ったり、
株に投資したり、ゴルフ会員権や絵画等々様々なものが投機対象となり、
金融経済に流れたのだ。

先に述べたように、土地は高騰し、日経平均は最高4万円近くまで上昇。
ゴルフ会員権が数億円、ゴッホのひまわりの絵が5億年等々。
そして、ついにそれらが最高値まで上がった後、売りが始まり、
バブルが弾けた。

その後の事はまたいつか述べるとして、ここ数年、景気回復という名のもと、
金融緩和政策を実施。
日経平均が7千円台を割った頃から、今では日経平均は2万円台まで上昇。
今は好景気といわれているが、みんながそうではないだろう。

昔、オイルショックで原油価格が高騰。
その後も原油に依存している日本は原油が安くなってほしいと人々は思って
いた。
それが今は、原油価格は下落している。
日銀は物価上昇率が上がらない原因の大きな一つに原油価格の下落が
大きいと述べている。

何がなんだかと思うところもあり、考えさせらるところもある。
でも学んだり、考えたりすることに面白さも感じる自分がいる。

Posted by sou_L at 20:41│Comments(0)経済・社会哲学

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